ご来店されたお客さんが本を見に来て欲しいとの事
おじいさんが亡くなりその本をすべて処分したいとのことでご来店されました。
そしてお約束の日時を相談し後日お伺いしました。
お伺いして見渡しますと本棚に比較的新しいのと結構年数劣化の激しいのとが混在。
早速手にとって拝見させて頂いている時、ご依頼人の方が、「おじいさんは何も残さなかった」と何度もしきりに言われてました。
経験上こぅいった場合、ご本人にとっての御蔵書は、残されたご家族にしては紙屑同然の扱いになってしまうのが殆ど。
随分前、常連のお客さんが言われていたのを思い出します、「俺が死んだら女房・・・このときとばかりに捨ててしまうんだろうなぁー」と。
顔は笑ってましたが眼が寂しそうでした。
昔より古書を買う人は夫婦の間でも買った本はもちろん金額のことも内緒の事がちょくちょくある。(^^;)(古書の場合は男性が殆どであるが)
そうそう、骨董品なんかも。
蔵書一代
その方の買われた本はその方だけのお好きだったものでその方一代限りのもの、他の方は見向きもされないことが殆ど。(本だけに限らないですが)
そう言えばこんな話を聞いた覚えがあります、「生涯をかけた蒐集も、貴重な本も、価値を知らないものにとっては無駄の塊(かたまり)。蔵書一代とはよく言ったものである」
でも、その人の蒐集された蔵書が次世代の見知らぬ人に受け継ぐことだってあるんです。
ご家族の方、ご親類の方、業者の方、決してゴミとして出さず、その前に古本屋さんに相談されたらと思います。(もちろん当店にも^^;)
生きて繋がっていく本達が必ずあるはず。
・・・・・・。
さて、査定が終わり高金額を提示したかったが、近代文学の全集の不揃いが圧倒的に多い。
う~ん。
揃っていても、今はこのてのものは一部を除いて値下がりが激しいんです。(-_-)
そんななかでも、珍しく貴重な本もあり、高金額で買わさせて頂きました。
そして、ご依頼人の方のご希望もあり、お値段のつかなかった本も一緒に引き取らさせて頂き喜んで頂けました。
ありがとうございました。
大切に読み継がれ、蒐集(収集)されてきた古本・古書の中には、とても価値のあるものがございます。お伺いした時には、既に廃棄処分されてしまっている事がよく有りますので、その前に、どうかご連絡くださればと思います。